論文

査読有り 筆頭著者
2021年2月24日

石材を利用した風化プロセスによる地形変化速度の推定―オーストラリア・ノビーズ岬における砂岩材の穿孔風化を対象として―

桜門論叢
  • 藁谷哲也

103
開始ページ
27
終了ページ
37
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)

オーストラリア大陸の風化プロセスによる地形変化速度を知るため,ニューサウスウェールズ州ニューカッスルに位置するノビーズ岬の砂岩材に見られる窪みの発達速度について分析した。この窪みは,タフォニまたはハニカム構造様を呈し,おもに海水飛沫の影響を受ける塩類風化によって形成されたものと考えられる。長さ約1.4kmのこの岬は,19世紀初頭に建設されたもので,風化継続時間を特定することができる。岬の建設に利用された16の砂岩材を対象として,シュミットハンマによる反発値と窪みの深さを計測した。その結果,砂岩材の強度は大きく異ならないことがわかった。また,窪み深さを風化量とし,それを風化継続時間で除して窪みの平均発達速度を求めると,0.12~0.58mm/年と見積もられた。この速度は,オーストラリア沿岸で塩類風化による地形変化速度が比較的早いことを示している。

リンク情報
URL
https://www.publication.law.nihon-u.ac.jp/pdf/treatise/treatise_103/each/11.pdf
ID情報
  • ISSN : 0288-1411

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