7種10菌株のPicia属のメタノール資化性酵母の脂質組成を検討した。乾燥菌体中の脂質含有率は3.4%から10.4%であった。脂肪酸組成ではオレイン酸とリノール酸が主成分であった。これらの酵母菌株は数%以上のリノレン酸を含有するものとほとんど含まないものに大別できた。Pichia minutaの乾燥菌体は10%以上のα-リノレン酸を含み, それは中性脂質や糖脂質よりもリン脂質に多く含まれていた。菌の成育のためには培地のメタノール濃度1%が, 培養温度25℃が最適であった。温度が低いとα-リノレン酸含有率が多くなった。