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2017年9月22日

口腔顎顔面領域に発症する各種病変における穿刺吸引細胞診の有用性に関する検討

日本臨床細胞学会雑誌
  • 山本 泰、宇都宮忠彦、末光正昌、森川美雪、松本 敬、坂田一美、齋藤隆明、浮ケ谷匡恭、久山佳代、小宮正道

56
5
開始ページ
218
終了ページ
224
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.5795/jjscc.56.218
出版者・発行元
特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会

<p>目的 : 口腔顎顔面領域に発症するさまざまな疾患における穿刺吸引細胞診の有用性を明らかにすること.</p><p>方法 : 穿刺吸引法によって細胞診を行い, 後に病理組織診断を得た口腔顎顔面領域病変 181 例を対象とし, 細胞診断を行った.</p><p>成績 : 病変の分類は腫瘍 73 例, 囊胞 61 例, 炎症は 47 例であり, 推定診断の正診率は唾液腺腫瘍 77%, 顎骨腫瘍 75%, 軟組織囊胞 60%, 顎骨内囊胞 45%, 軟組織腫瘍は 39%であった. 細胞診断は検体不適正 1 例, 検体適正 180 例であり, 陰性 166 例 (92.2%), 陽性 14 例 (7.8%) であった. 穿刺吸引細胞診の精度は感度 61.9%, 特異度 99.4%, 正診率 94.5%であった.</p><p>結論 : 唾液腺良性腫瘍に対する穿刺吸引細胞診は過去の報告と同様に良好な正診率と質的診断が得られる有用な検査方法であるが, 唾液腺悪性腫瘍においては質的診断が困難であると考えられた. 扁平上皮癌については粘膜下組織やリンパ節に穿刺吸引細胞診が施行されていたが, 腫瘍細胞が採取されていない症例も認められ, 採取技術力の向上が必要であると考えられた. 顎骨内病変に対する穿刺吸引細胞診は良悪性の鑑別には有用な検査法であるが, 囊胞性病変の場合には内容液ではなく囊胞壁を採取する技術の向上も必要であると考えられた.</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.5795/jjscc.56.218
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130006201113
ID情報
  • DOI : 10.5795/jjscc.56.218
  • CiNii Articles ID : 130006201113

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