2012年
正中部分割下顎模型を用いた下顎切歯根管充填の評価に関する一考察
日本歯科教育学会雑誌
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- 巻
- 28
- 号
- 3
- 開始ページ
- 184
- 終了ページ
- 191
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一社)日本歯科医学教育学会
日本歯科大学新潟生命歯学部では第4学年後期にファントームに取り付けた顎模型上で歯内治療学基礎実習を行い、天然歯や人工歯の術前、術中、術後のデジタルX線撮影を併用している。実習最終日にはヒト下顎前歯の抜髄即日根管充填のシミュレーションテストを行い、根管充填後のX線写真を使用して評価を行っている。今回、下顎前歯部を頬舌と近遠心の2方向から容易に撮影できる正中分割式顎模型を開発した。顎模型は基底面が金属プレート製で、歯槽窩内に天然歯もしくは人工歯を植立し、根尖とプレートの間に導電性ペーストを介在させて電気的根管長測定の実習を行うことができる。前歯部舌側にはデジタルX線のセンサーをセットするのに十分な深さと幅を付与し、平行法で頬舌撮影することができ、さらに金属プレートを取り外せば正中部で2分割して近心面からの近遠心撮影も行うことができる。2方向から撮影した画像を用いて根管充填後の評価を行った結果、頬舌撮影では良好と思われた例でも、近遠心撮影することで死腔の存在や根管充填の緊密性不足を読影できた。その結果、近遠心的に圧平され、頬舌的に根管径が広いことの多い下顎前歯の根管に対する解剖学的知識や円周ファイリング、根管充填時のシーラーの塗布、十分な側方加圧根管充填の必要性などを術後のフィードバックに容易に用いられるため、教育向上への反映も期待でき、実習への導入の有用性が確認された。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0914-5133
- eISSN : 2433-1651
- 医中誌Web ID : 2013163400