論文

査読有り
2018年6月

附属病院小児歯科における口腔外傷を主訴とした初診患者の実態調査

小児歯科学雑誌
  • 宮山 友紀
  • ,
  • 白瀬 敏臣
  • ,
  • 亀岡 亮
  • ,
  • 芦澤 みなみ
  • ,
  • 三宅 真帆
  • ,
  • 村松 健司
  • ,
  • 楊 秀慶
  • ,
  • 梅津 糸由子
  • ,
  • 内川 喜盛

56
3
開始ページ
375
終了ページ
383
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(公社)日本小児歯科学会

都心に位置する附属病院小児歯科における小児の口腔外傷を調査し、高次医療機関として今後の治療指針を明確にすることを目的として、2011年4月から2016年3月までの5年間に口腔外傷を主訴として当科に初診で来院した437名について実態調査を行った。1.口腔外傷を主訴に来院した患児は初診患者の11.0%を占めていた。2.性別は乳歯が男児186名(59.2%)、女児128名(40.8%)、永久歯が男児61名(69.3%)、女児27名(30.7%)で、男児に多かった。3.初診時年齢は乳歯では2歳(21.5%)、1歳(19.7%)、3歳(15.3%)の順に多く、永久歯では8歳(5.3%)で多かった。4.紹介の有無は紹介ありが267名(61.1%)、紹介なしが170名(38.9%)であった。5.受傷歯数は乳歯が506歯(76.7%)、永久歯は154歯(23.3%)、歯の受傷のない者は33例であった。6.受傷様式は乳歯では脱臼性損傷が377歯(62.9%)、破折性損傷は166歯(27.7%)、変色が56歯(9.3%)であった。乳歯の動揺、埋入、歯冠破折、変色は2歳が、転位は1歳が最も多い一方で、歯根破折は4歳までは年齢とともに増加していた。永久歯では脱臼性損傷が111歯(61.0%)、破折性損傷は70歯(38.5%)であった。7.初診時の対応は乳歯、永久歯ともに経過観察が多く、埋入と変色でその割合が高かった。また、永久歯では初診時の抜歯は1例もなかった。今回の調査結果から、大学附属病院では低年齢児の紹介患者が多く、より専門的な対応が求められていることが示唆された。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 0583-1199
  • 医中誌Web ID : 2018285917

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