MISC

1990年

筋性腋窩弓とその支配神経について

杏林医学会雑誌
  • 高藤 豊治
  • ,
  • 守屋 厚
  • ,
  • 横山 寿光
  • ,
  • 神林 隆幸
  • ,
  • 斎藤 嘉代
  • ,
  • 五十嵐 純
  • ,
  • 佐藤 泰司

21
2
開始ページ
187
終了ページ
193
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.11434/kyorinmed.21.187
出版者・発行元
杏林医学会

著者らは日本人成人20体,40体側例を検索し,きわめて稀な筋性腋窩弓muskuloser Achselbogenの1例(93歳女性の左側)を認めた。この腋窩弓は広背筋停止腱の近くで広背筋前縁の筋束の一部が前方に分離し,腋窩中央で2分する。この内の一束は分岐直後にさらに2分し,烏口突起と大胸筋腹部下縁に平行して並ぶ筋束として腹部筋膜に停止し,他の筋束は腹部筋束の深層を下走し,その筋膜上に終わっていた。この腋窩弓には広背筋側からは胸背神経からの枝が,胸筋側からは内側胸筋神経の枝が分布していた。尚,腹部に停止する浅深2葉の筋束には内側胸筋神経の主幹から各々独立して分岐した枝が分布していた。上記の所見から,今回遭遇した筋性腋窩弓は広背筋の一部の筋束と哺乳動物でよく発達している皮下胸筋の遺残が胎生初期に合して形成したものと考えた。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.11434/kyorinmed.21.187
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007373981
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/1991130280
ID情報
  • DOI : 10.11434/kyorinmed.21.187
  • CiNii Articles ID : 110007373981

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