1987年
流産既往歴をもつ夫婦の染色体検査(共著)
杏林医学会雑誌
- ,
- 巻
- 18
- 号
- 2
- 開始ページ
- 175
- 終了ページ
- 178
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11434/kyorinmed.18.175
- 出版者・発行元
- 杏林医学会
我が国の流産の頻度は約10%といわれているが,この流産児の約50%に染色体異常がみられる。このうち,その親に均衡型転座保因者が存在することが報告されている。本研究ではこれらの点を考慮し,2回以上流産既往歴をもつ74組の夫婦について染色体検査を試みたところ,3組の夫婦(いずれも妻のみ)が均衡型転座保因者と判定され,なお,それぞれの染色体核型は,46, XX, t(2;18)(q32;q23), 46, XX, t(2;12)(P15;P13), 46, XX, t(9;21)(q32;q22)である。症例2,3では子供がいるので,その子供についても染色体検査を試みたところ,1名は正常核型で,もう1名は母親と同じ核型をもつ均衡型転座保因者であった。流産既往歴をもつ夫婦において均衡型転座保因者が確認された場合,染色体異常の再発危険率が高いので,以後の遺伝相談が必要である。
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- ID情報
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- DOI : 10.11434/kyorinmed.18.175
- CiNii Articles ID : 110007373426