1995年
フッ化物処理ハイドロキシアパタイト-細菌間の表面ポテンシャルエネルギー
口腔衛生学会雑誌
- ,
- 巻
- 45
- 号
- 2
- 開始ページ
- 276
- 終了ページ
- 295
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.5834/jdh.45.2_276
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 口腔衛生学会
各種フッ化物(F)処理ハイドロキシアパタイト-細菌間の表面ポテンシャルェネルギーを理論計算し,F処理がその表面ポテンシャルエネルギーにどのような影響を与えるかについて検索した。まず細菌の付着のしやすさを表わす反発力の極大値,Vmaxは,SnF_2処理群において最も大きく,ついでNaF処理群であり, APF処理群では最も小さい。また,処理濃度の影響はAPF処理前のみに認められた。さらに,溶液pHの影響は,SnF_2処理群を除き,溶液pHが高いほど大きい。以上の影響は,ゼータ電位の高い細菌(S. rattus BHTおよびS. cricrtus HS-6)の場合にのみ認められた。HAp-細菌間における表面ポテンシャルェネルギーヘの影響は細菌の種類によるものが最も大きく,ついで処理するFの種類,溶液pHおよび処理するF濃度の順であった。これらのことから,ゼータ電位の高い細菌については,SnF_2処理によって表面ポテンシャルエネルギーが増加し,細菌の付着がしにくくなることがわかった。また,歯面のゼータ電位を大きくし,Hamaker定数を小さくすることが歯垢形成抑制に効果があることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.5834/jdh.45.2_276
- ISSN : 0023-2831
- CiNii Articles ID : 110004015127
- CiNii Books ID : AN00081407