論文

2007年3月

よそ者であることを〈選択〉する—居住地選択と愛着の位相—

『甲南大学紀要』文学編
  • 菅 康弘

146
146
開始ページ
1
終了ページ
20
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)
出版者・発行元
甲南大学

21世紀に入り観光と移住の両面でブームを迎えている沖縄を舞台に、〈旅〉のまなざしと〈住〉のまなざしの接点を探求する。Iターン移住における研究の焦点は、①〈田舎〉と呼ばれる、②係累のない土地への、③自発的な選択を伴う移住であるが、本稿ではまず①の言説が棄却される。それを受け、②と③の今日的な意義が研究されているが、特に③では巷間に流布する「楽園幻想を批判する」言説に対し、これらがある意味では積極的な意義を内包することが語られる。それは選択された土地を舞台にした「逆接の連鎖による」愛着である。すなわち、単純に、生まれた「から」とか、長年住んできた「から」といった順接の累積による愛着とは異なる、常に否定を内包した愛着であり、こうした愛着の居場所があることこそ、今後の地域創造においては極めて重要であることを指摘している。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007016672
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00084642
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/8953054
ID情報
  • ISSN : 0454-2878
  • CiNii Articles ID : 110007016672
  • CiNii Books ID : AN00084642

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