1990年7月31日
初期カザーク史をめぐる諸問題
ロシア史研究
- 巻
- 49号2-16頁
- 号
カザークの起源を含むカザークの初期の歴史についての諸問題を学界の研究動向とからめながら検討した。 まず、起源問題では、カザークはもっぱら農奴制下のロシア、ウクライナからの逃亡農民に由来するという説と、起源においてはタタール人がある程度の役割をはたしたという説について検証した。 また、初期のカザークとロシア国家の関係、とりわけ軍役を中心とするカザークのロシア国家に対する勤務の特質については、エルマークのシベリア遠征と17世紀初頭の動乱期におけるカザークの行動の分析しながら検討した。