講演・口頭発表等

2013年10月

呼気性喘鳴やSpO2低下を来した下気道感染症群での血漿BNP値、および一過性高値を示した1例に関する検討

第45回日本小児感染症学会総会・学術集会
  • 田端 信忠
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  • 篠原 徹
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  • 竹村 司
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  • 池田 優
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  • 井碩 孝博
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  • 田中 則次

主催者
第45回日本小児感染症学会総会・学術集会
開催地
札幌市
今回の検討でも、呼気性喘鳴やSpO2低下を来した下気道感染症群では、一般的に血中BNP値は増加しないことが示された。一方で、心筋炎ではBNP値は死亡に対する予後因子とされ、軽症例での入院時BNP値ですら176±104 pg/mlとの報告がある。血中BNP測定は、迅速、簡便かつ結果の判定に熟練を要さないため、呼吸困難(感)を訴える患者での心筋炎などによる心不全との鑑別に有用と考えられた。
一方で、一過性 BNP 高値を示した1例では、BNP の血中 半減期は約20分と短いことを考え合わせると、心エコーなどの所見は まさにBNP 高値時のものではないことも否定できず、一過性、かつ軽度の心負荷が存在した可能性は否定できないと思われた。
また、その上昇機序は明確ではないものの、心臓喘息などを想定して循環動態を推測する事は重要であると考えられた。
Koulouriらの報告(Pediatr Cardiol 25:341?346, 2004)では、BNP 40pg/mLをカットオフとすると、心疾患群と呼吸器疾患群での呼吸困難