2000年
養成クロマグロの成熟と産卵
水産増殖
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- 巻
- 48
- 号
- 3
- 開始ページ
- 475
- 終了ページ
- 488
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11233/aquaculturesci1953.48.475
- 出版者・発行元
- 日本水産増殖学会
1987年に採捕したクロマグロ幼魚を親魚まで養成し,成熟年齢と想定した満5歳以降,生殖腺体指数(GSI)の周年変動を調べるとともに,毎年6~8月にかけて自然産卵を観察し,産卵条件を検討した。また,産卵盛期における産卵時刻直前の生殖腺の性状を調べるとともに,卵および精子の構造を電子顕微鏡を用いて観察した。GSIは雌雄とも7月を中心に最大となる傾向を示した。産卵時刻直前の雌個体は,体重21.3kgと小型ながら熟卵を有し,卵巣内の卵径組成は0.8mm以上の卵を約25%含む多峰型を示し,産卵多回性を認めた。自然産卵は満7歳以降,延べ4年にわたり認められた。串本での産卵期は,6月中旬から8月中旬の約2カ月間と推定された。産卵が認められた水温範囲は21.6~29.2℃であり,50%正常孵化率で示す孵化限界水温範囲に対応した。本種の精子は,全長約35μmで,頭部,中片部および尾部から構成され,硬骨魚類の一般的な形態を示した。卵の動物極と思われる位置には直径5μmの卵門が観察され,卵膜表面全体に多数のpit(小孔)が認められた。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11233/aquaculturesci1953.48.475
- ISSN : 0371-4217
- ISSN : 2185-0194
- CiNii Articles ID : 130003714958