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査読有り
2009年

一定仕事率でのペダリング動作において回転数の変化が筋活動量に及ぼす影響について

日本理学療法学術大会
  • 岩下 篤司
  • ,
  • 吉川 卓志
  • ,
  • 市橋 則明
  • ,
  • 三浦 元

2008
開始ページ
A1O2007
終了ページ
A1O2007
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.14900/cjpt.2008.0.A1O2007.0
出版者・発行元
公益社団法人 日本理学療法士協会

【目的】ペダリング動作を行う場合、一定仕事率でも負荷量・回転数の組み合わせに多様性があるため、関節トルクや筋活動、エネルギー消費なども変化する.一定仕事率でのペダリング動作においてエネルギー効率の高い回転数の報告は認められるが、理学療法で用いる仕事率での報告は少ない.また回転数が変化すれば一定時間内での反復数も変化することから、筋活動量へ影響することが考えられる.そこで本研究の目的は一定仕事率でのペダリング動作において回転数を変化させたときの下肢筋の平均筋活動量と最大筋活動量から、一定時間内の筋活動量の特性と一回転中の筋活動効率に与える影響を明確にすることとした.<BR>【対象と方法】対象は健常成人10名(年齢26.9±4.6歳、身長162.4±8.2cm、体重54.7±14.2kg)とし研究の同意を得た.また市立奈良病院倫理委員会の承認を得た.筋電図の測定筋は右側の大殿筋、大腿直筋、内側広筋、半腱様筋、腓腹筋内側頭の5筋とした.表面筋電図はTRIAS(DKH社製)を用いプリアンプ内臓電極を筋線維の走行に沿って貼付した.また電気角度計を膝関節に装着し筋電図と同期化した.自転車エルゴメーターは下死点にて膝関節屈曲30°に設定しトークリップを装着した.仕事率60Wと120Wにて40、60、80、100、120rpmの5種類の回転数でランダムに施行した.12秒以上の安定した筋電図を採取した後、電気角度計を基準に6秒間、つまり40rpmでは4回転分、60rpmでは6回転分、80rpmでは8回転分、100rpmでは10回転分、120rpmでは12回転分に分類し、安定した筋電図をデータとして用いた.平均筋活動量については6秒間の筋電図を整流平滑化し二乗平均平方根にてサンプリングデータの平均値を求め、3秒間の最大等尺性収縮を100%として振幅を正規化し%平均筋活動量(以下、平均値)を算出した.また、最大筋活動量は1周期の最大値を5周期分採取しその平均値を算出した後、%最大筋活動量(以下、最大値)を求めた.統計処理にはFriedman検定、Scheffeの多重比較を用いて、回転数の変化による影響を分析した.<BR>【結果及び考察】大殿筋では、60Wと120Wともに40〜80rpmでは筋活動量に差はなく、100rpm以上の回転数で平均値・最大値ともに高くなった.大腿直筋では、60W・120Wの平均値において40〜80rpmで差はなく100rpm以上の回転数で高くなり、最大値では60rpmで最も低い筋活動量を示した.内側広筋では、60Wの平均値・最大値ともに40〜80rpmで差はなく100rpm以上で高くなった.120Wでは平均値・最大値ともに60rpmで最も筋活動量が低く、120rpmにて最も高くなった.半腱様筋では、60Wと120Wともに40〜100rpmで差はなく、120rpmで平均値・最大値ともに高くなった.腓腹筋内側頭では、回転数の増加とともに平均値・最大値は増加した.各筋ともに高い回転数を用いることにより筋活動量を有意に増加させることができ、大腿四頭筋は60rpmで筋活動量が低くなると考えられた.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.14900/cjpt.2008.0.A1O2007.0
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205567962624?lang=ja
URL
http://ci.nii.ac.jp/naid/130004579836
ID情報
  • DOI : 10.14900/cjpt.2008.0.A1O2007.0
  • CiNii Articles ID : 130004579836
  • CiNii Research ID : 1390001205567962624

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