共同研究・競争的資金等の研究課題

2006年 - 2007年

15年間の長期追跡研究による骨粗鬆症予防効果の評価と看護指導指針の策定

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
18592417
体系的課題番号
JP18592417
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
3,890,000円
(直接経費)
3,500,000円
(間接経費)
390,000円

骨折を介して要介護老人を生じる要因としての重要性が増しつつある骨粗鬆症に着目し、中高年女性の生活、栄養状況、骨折発生状況を15年の長期追跡することにより、骨粗鬆症予防効果を多元的長期介入結果から評価し、有効な骨粗鬆症予防指針の立案を試みた。調査対象者は、福井県山間農業地域と海浜漁業地域の初回調査の受診者全員、すなわち山間農業地域90人、海浜漁業地域119人の計209人である。調査内容は調査開始時点の調査結果との比較性を重視し、それを保てる測定機器や問診方法を用いた。初年度と追跡時の両方受診した123人を分析対象とした。骨密度変化率(%BMD)は追跡終了時点での腰椎骨密度から追跡開始時点の骨密度を引き、追跡年数(15年)で除して1年当たりの%BMDを求めた。%BMDと生活関連因子を検討した結果、中高年女性の骨密度低下を抑制する因子として、体重、喫煙、牛乳の定期的摂取、運動効果が示唆された。これらの結果から、地域における看護指導指針を立案した。指針は予防原則とリスク対象として閉経前後及び高齢期女性に大別して策定した。指針予防原則として、閉経後の骨量減少を出来るだけ小さくすること、標準体重の10%増を維持する、日常的な運動でも良いので持続できる身体活動を行う、カルシウム摂取のために、特に乳製品摂取に心がける、禁煙指導を徹底する等の指針が示された。このような長期追跡研究から骨粗鬆症予防効果と骨折予防のためのリスク要因を検討し、有効な保健対策を立案しようとする研究はほとんど無く、骨折・骨粗鬆症予防の看護指針を立案する極めて貴重なものであると思われる。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18592417
ID情報
  • 課題番号 : 18592417
  • 体系的課題番号 : JP18592417