【目的】ヒューマンケアを実践する高度医療専門職としての管理栄養士コンピテンシー(CP)の明確化を目的とする。【方法】1)文献検討によりCP項目とカテゴリー案を作成した。2)大学院教員のグループ討議によりCP項目とカテゴリー案を修正し、内容妥当性を専門家に自記式質問紙で尋ね、Content Validity Indexを算出し、CP項目を厳選した。3)看護と栄養が併設された大学院の教員と修了生を対象にCP項目の重要性についての郵送質問紙調査を実施した。基本統計量、肯定的回答割合、項目間相関係数、信頼性分析により精選したCP項目のさらなるスクリーニングと妥当性の検証として因子分析により因子構造を確認した。【結果】文献検討で作成した104項目・20カテゴリーのCP案をグループ討議、専門家審査、質問紙による重要性評価を経て、最終的に因子分析により28項目のCPと「科学的根拠に基づくマネジメント力」「協働とリーダーシップ」「リスク・資源の判断と解決力」「環境調整力」「倫理に基づく実践力」の5因子を決定した。【結論】科学的思考により健康課題を明確化し解決策を講じる力、多職種間で連携・協働すると同時にリーダーシップを発揮して実践する力、リスクヘッジやケア環境の改善につながる組織・システムの分析力やマネジメント力、人々のQOL向上のために多職種や関係機関と交渉・調整する力および社会変革力、職業倫理に基づく行動特性が高度医療専門職としての管理栄養士CPであることが示唆された。(著者抄録)