論文

2009年1月

「ゲゼルとアナーキズム思想―経済改革論と『国家の漸進的解体』論との関連を中心に―」

マルクス・エンゲルス研究者の会 『マルクス・エンゲルス・マルクス主義研究』
  • 相田 愼一

50
開始ページ
>63-91
終了ページ

1.ゲゼルは自らを「フィジオクラート」と呼んでいた。だが、第一次大戦後ゲゼルはアナーキズム思想に傾斜し、自らの二つの国家論において「国家の漸進的解体」論を展開した。そのかぎりにおいてゲゼルは、結城剛志が言うように「アナーキスト」であると規定できるだろう。2.だが、ゲゼルは同時に、第一次大戦後も国家の効率的機能を必要とする自らの二つの経済改革論、すなわち自由地改革論と自由貨幣改革論を緊持していたのである。3.ここにゲゼルの信奉者たちの内部に、ゲゼルは「アナーキストか否か」をめぐる問題が発生したが、筆者は、ゲゼルを「小さな政府」と「個人的自由」を求める「個人主義的自由主義者」であったと評価するものである。

エクスポート
BibTeX RIS