MISC

2007年12月

「戦争賛否論における対話可能性」

『青山学院女子短期大学総合文化研究所年報』青山学院女子短期大学

15
開始ページ
95-112
終了ページ
112
記述言語
日本語
掲載種別

戦争の是非、戦力保持の是非は、現代社会において、とりわけ日本においていわゆる平和憲法を保持する限り、特に論じ続けなければならない永遠のテーマであろう。しかも我々は、この問題について単に論じ続けるだけでなく、一定の答えを出すよう求められる時代状況に置かれていると言える。しかしそのような時代状況にあっても、戦争賛否論は互いに歩み寄る余地がないように見える。本稿はそのような袋小路を脱して建設的な対話が生み出される可能性を模索しようと試みるものである。まず、戦争の種類を基にして、歴史的流れに対応させつつ、戦争賛否論の各立場を分類する。そして、第一に「戦争に賛成か反対か」と単純に問われた場合にはほとんどの人は「反対」と答えるであろうということ、但し第二に「絶対的に」反対するかと問われたときには「躊躇」を覚えるであろうということを立脚点にして、各立場に応じた対話の糸口、各立場を包括する観点に立った対話の糸口を探る。

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