論文

2012年12月

「正義・福祉・愛-代理出産から「法の正しさ」を考える」

青山学院女子短期大学紀要
  • 河見 誠

66
開始ページ
15-26
終了ページ
26
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
青山学院女子短期大学

生命倫理課題の法的解決において正義が抱える限界と、それを乗り越えるための愛アプローチの必要性を、代理出産における親確定問題を通して検討する。西洋の近代主義的正義論は、「いのちの誕生に対するまなざしの欠如」という重大な限界を有する。またそれを補う「子どもの福祉」のために(大人の)正義は道を譲るべき、という福祉アプローチも、近代特有の功利主義に伴う限界を抱える。これに対し、日本における最近の代理出産に関する意識調査では、「約束を守るべし」よりも「いのちの誕生への期待・喜び・愛情」が圧倒的に重視されている。しかしそこには大人中心の視座、「血のつながり」の重視の問題が潜んでいる。本稿では、西洋と日本の思想と文化が抱える限界を乗り越える試みとして愛アプローチを提示し、いのちの誕生それ自体における大人(親)の子どもに対する関わり方の適切性(快楽の愛、有用の愛、善意の愛いずれの友愛のスタンスか)という観点からの親確定を試みる。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/120005433719
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10036646
URL
http://id.ndl.go.jp/bib/024167312
URL
http://www.agulin.aoyama.ac.jp/opac/repository/1000/12919/
ID情報
  • ISSN : 0385-6801
  • CiNii Articles ID : 120005433719
  • CiNii Books ID : AN10036646

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