共同研究・競争的資金等の研究課題

1990年4月 - 1992年3月

家庭生活に由来する水質汚濁物質に関する研究

文部科学省  科学研究費助成事業  一般研究C

担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
1,800,000円
資金種別
競争的資金

福島市内を流れる二つの河川の汚濁状況を調べると共に、周辺地域の住民を対象として生活雑排水に関する意識調査を実施した結果、河川の汚濁状況については上流での汚濁は少ないものの人口密度の高い下流では汚濁が進行していることがわかった。これは、下水道が未整備のため、'生活排水が河川に直接流れ込むことが原因と考えられる。また、意識調査では、大部分の家庭で厨房排水が水質汚濁源となっていることを認識しているにも関わらず、米のとぎ汁や液状食品を排出することに対しては汚れの原因として意識していないことがわかった。このような結果からも、厨房から排出される汚濁物質、特に液状食品の処理方法や食生活を見直す必要性が示唆された。そこで、厨房排水の汚濁負荷量(COD)の測定、汚濁物質の削減方法などについて検討を行った結果、食器などに付着した汚れを拭き取ってから洗うことにより洗剤使用量ばかりではなく、明らかに排水の汚濁量が減少することが確認された。また、洗剤使用方法に関するアンケート調査から、環境問題に高い感心をもっている家庭では、洗剤使用量を少なくするための工夫をしていることからも、家庭におげる衣・食・住生活全般にわたる意識向上を計ることが、これからの環境保全対策への大きな課題になると予想される。今後は以上のような研究成果について、機会あるととに一般家庭に向けて提示していくと同時に、家庭レベルで環境汚染を最小限度に抑えるための具体的方法を提案していく予定である。