2011年12月25日
憲法の制度的枠組みが生産性に与える効果に関する研究
政経研究
- ,
- 巻
- 48
- 号
- 3
- 開始ページ
- 355
- 終了ページ
- 384
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(大学,研究機関等紀要)
- 出版者・発行元
- 日本大学法学会
Persson and Tabellini(2003)の憲法および政治と経済との相互関係にあることを踏まえ、政府の形や選挙制度という憲法上の特徴(政治制度)が、経済政策や経済的パフォーマンスに与える効果の理論及び実証分析についての研究動向を把握するとともに日本の1996年の選挙制度改革である小選挙区比例代表制並立制の経済的パフォーマンスに与える効果を推定している。主要な実証分析結果は次の2点である。第1は、この選挙制度改革が経済的パフォーマンスに与えた効果は、正と負の2つ効果が存在していたということである。第2は、民主主義の歴史的経過が経済的パフォーマンスを改善しており、しかも、それは確実な力になっているということである。すなわち、われわれの民主主義制度には欠陥があり、その欠陥の一部を具体的に指摘できた。しかし、時間の経過がすべてを解決できる可能性のあることも示唆している。