2007年4月 - 2010年3月
18世紀イギリスにおける女性の言説と公共圏-文学研究と歴史研究の断層と結節点
日本学術振興会 科学研究費補助金(基盤研究(B)) 基盤研究(B)
- 課題番号
- 19320047
- 体系的課題番号
- JP19320047
- 担当区分
- 連携研究者
- 配分額
-
- (総額)
- 19,760,000円
- (直接経費)
- 15,200,000円
- (間接経費)
- 4,560,000円
- 資金種別
- 競争的資金
18世紀後半から19世紀前半にかけてのイギリスにおいて、社会の多様化や消費文化の進展、国外への帝国主義的覇権の伸長が起こった結果、イギリス国内にいる女性にとっても公共圏が複層的、複次元的に展開していった。「私/公」の境界線は、ジェンダーによってはもとより、社会階層によっても、また家族構成によっても、まったくそうなる形で形成され、その複層性・多元性の実態を文学および歴史資料の中から精査した。同じ女性であっても状況によって複数の境界線が存在し、意識されていたのであり、さらにはその境界線自体が明瞭なものではなく、曖昧なグレイ・ゾーンであったことである。Mary WollstonecraftやCharlotte Smithのような女性とHannah MoreやJane Austenそれぞれが、一定の範囲内であいまいな「公共圏」を想定し、そこに共存しつつも、消費、政治、宗教、情報、地域といった様々な領域において異なるpublic/privateの境界線を意識し、言説として公表してきた。全体として、家庭イデオロギーが19世紀初頭にかけて支配的になっていくのは明らかであるが、しかしその状況において女性たちは異なる「公/私」の境界線上を往還運動していたのである。
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- ID情報
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- 課題番号 : 19320047
- 体系的課題番号 : JP19320047
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
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日本英文学会関東支部 第3回大会シンポジウム「転換期を生きた女性たち ─ 公共圏の内と外」 2009年1月10日