基本情報

所属
近畿大学 農学部 農業生産科学科 教授
学位
農学博士(名古屋大学)

ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-2006-0700
J-GLOBAL ID
200901099088001537
researchmap会員ID
1000162466

外部リンク

ウルトラファインバブル(以下UFBと表記します)の農業利用に関する研究に取り組んでいます。水稲やダイズなどの食用作物から、果菜や葉菜類も含めて、新しい栽培技術を創出することを目指しております。UFBとは直径1マイクロメートル(μm)以下のナノレベルの微細な気泡のことをいいます。酸素や窒素ガスを用いて作成した泡を純水などの不純物が少ない液体中で研究することが一般的なのですが、私たちは社会実装を視野において、農業用水や水道水などと、空気から作成した泡を用いて実験を進めております。私たちが使用しているUFBは、直径100~300nm(0.1~0.3μm)が大半を占めているため、浮力よりもブラウン運動力が大きい泡が多く、これらが長期間、水中に存在するようです。UFBが物体に衝突して弾けるときに、ナノレベルの世界では様々なことが起きるはずです。しかし、なんといっても小さすぎて計測することが難しいため、そこには未知の世界が広がっています。私たちは未知の現象をブラックボックスに入れ、環境や生産などに何らかの付加価値を与えることができないか?と考えつつ、社会実装を目指した基礎~応用レベルの検討を行っています。

日本のダイズは水田転換畑で栽培されることが多く、梅雨や秋雨による湿害が問題となっております。ダイズの中耕時に土壌下層部まで耕うん(以下、亀裂処理)を行うと、強い湿害が緩和されることがわかりました。この時期のダイズの根は、切断されると新しい根を多く発根させるという特性を持っております。この新しい根には若い根粒が多く着生するため、古くなり活力が低下した根粒に代わって、窒素を供給し続けることが期待されます。亀裂処理により多くの根を失ったダイズでは一時的に干ばつ被害を受け易くなります。そこで、亀裂処理の後で、水田転換畑に備えられている農業用水を利用して散水すれば、亀裂処理の効果が増すことがわかってきました。この亀裂は土壌の下層部に空気や水を運ぶ通路にもなるため、亀裂の強度や深度を制御しつつ散水を組み合わせることによる研究展開を目指しております。

南部アフリカのナミビアで開発した接触混植は、水稲と畑作物の根を密に絡め合わせることにより、湿害時には水稲の根から漏れ出る空気を、干ばつ時には畑作物の根から放出される水を、お互いに供給し合うという現象を利用する栽培技術です。ナミビアでは主食のパールミレットとソルガムを接触混植すると、干ばつ時にミレットがソルガムに水を与えることが期待でき、ソルガムの乾燥ストレス耐性を強化します。ナミビア大学の教え子たちがこの技術を農家圃場で展開しているところです。接触混植はダイズと水稲でも成立しうることを確かめました。気候変動が進行し、洪水や干ばつが隣り合わせで頻発するような近未来が日本の田畑に訪れたときには、ダイズとイネの接触混植に亀裂処理を行う農法が社会実装レベルで検討されているかもしれません。


主要な委員歴

  36

主要な論文

  106

MISC

  43

書籍等出版物

  16

主要な講演・口頭発表等

  289

担当経験のある科目(授業)

  10

所属学協会

  10

共同研究・競争的資金等の研究課題

  27