MISC

2019年4月

Digestシリーズ 新薬開発まで待てない認知症(Vol.5) 高血圧制御と認知症予防

Medical Science Digest
  • 武田 朱公
  • ,
  • 楽木 宏実

45
4
開始ページ
182
終了ページ
184
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
(株)ニュー・サイエンス社

社会の高齢化に伴う認知症患者の増加は日本のみならず世界的な社会問題となりつつある。近年の疫学研究や基礎研究の結果から、高血圧は認知症の病態に様々な影響を及ぼすことが示されている。高血圧に伴う脳動脈硬化や脳卒中の発症は血管性認知症の直接の誘引となるが、神経変性疾患として知られるアルツハイマー型認知症のリスクも増大させることが注目されている。認知症に対する根本的治療法は現時点で確立されていないが、高血圧をはじめとする生活習慣病のコントロールが認知症の発症予防に寄与する可能性が複数の研究で示されており、認知症問題に対する現実的な対応として重要と考えられる。本稿では高血圧と認知機能の関連、降圧治療による認知症予防効果、認知症患者に対する降圧療法の意義などについての最近の知見を紹介し、認知機能を考慮した高血圧制御について概論する。(著者抄録)

ID情報
  • ISSN : 1347-4340
  • 医中誌Web ID : T322160001

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