共同研究・競争的資金等の研究課題

2001年 - 2003年

動的環境に適応できる知的音響診断システムの開発

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
13555113
体系的課題番号
JP13555113
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
5,700,000円
(直接経費)
5,700,000円

本研究では動的な環境に適応できる能力を持つ音響診断システムの開発を目的としている.具体的には,環境が変わったことによって未知の音が発生したときに,未知の音であることを認識すると共に,既に構築したモジュールを変更することなくその未知の音を正確に診断できる新たなモジュールを付加していくような「診断ネットワーク」を新たに提案し,配管からのガス漏洩音の検出を対象としてその診断能力を詳細に評価した.さらに,安定した診断を行うために,音響信号の特徴抽出方法に遺伝アルゴリズムや独立成分分析などの適用を検討・評価した.さらに,カーネル法による識別方法の適用可能性を評価した.
○診断ネットワークの提案と評価
来年度実施予定の長期間(1年程度の間,適当なサンプリング間隔で)のデータ収集時に使用する複数のマイクによる複数の環境に対する同時データ収集装置を購入し,その性能を評価した.
○漏洩音の特徴抽出
特徴抽出方法として,進化的な特徴抽出方法や独立成分分析による抽出方法を検討した.数字パターンや評価用のデータベースなどに対する評価や石油精製プラントで収集したガス漏洩音などに適用して評価したところ,良好な結果が得られた.
○カーネル法による識別方法
良好な汎化能力が得られることが期待できるカーネル法やマージン最大化などを用いた識別方法を遺伝子発現データなどに対して評価したところ,有効であることが示された.
○ブラインドデコンボリューション
複数マイクから種々の特徴を分離するためには,音響信号のブラインドデコンボリューションが必要であるので,その基礎的な検討を生体信号に対して行った.得られた結果より,開発したアルゴリズムは有効であることが示された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-13555113
ID情報
  • 課題番号 : 13555113
  • 体系的課題番号 : JP13555113