2015年10月
腸管M細胞を介したボツリヌス毒素の侵入機構
感染・炎症・免疫
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- 巻
- 45
- 号
- 3
- 開始ページ
- 175
- 終了ページ
- 184
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 鳥居薬品(株)
ボツリヌス神経毒素(分子量約150k)は、きわめて生物活性(毒性)の高い細菌毒素である。本毒素はヒトを含むさまざまな動物に神経麻痺による致死性の高い中毒を引き起こす。食品などに混入した本毒素が経口摂取された場合、主に小腸から体内に取り込まれ、血行性に末梢神経に到達して、食餌性ボツリヌス症を引き起こす。したがって本症の発症には、神経毒素が活性を保持したまま消化管から吸収されることが必須であるが、大きなタンパク分子である本毒素が宿主の消化管から体内に侵入する機構は不明であった。最近我々は、本毒素は結合している無毒成分を介して、主に腸管のM細胞から体内に取り込まれることを、一過性M細胞欠失マウスを用いて明らかにした。さらにM細胞上の受容体としてGlycoprotein 2(GP2)が、本症の発症に大きく関与していることを明らかにした。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0387-1010
- 医中誌Web ID : 2016261994