2016年6月 - 2021年3月
プロトン駆動力による電子伝達のフィードバック制御
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
変動する光環境下での光合成電子伝達活性の制御機構を解明するため、チラコイド・ルーメン酸性化によるフィードバック制御、光エネルギーの捕集の制御、および光化学系の光損傷・修復・構造に着目して研究を進めた。
(1)ルーメン酸性化機構の理解のため、光化学系II (PSII)酸素発生系のプロトン輸送チャネルの同定を進めた。構造から推定されたプロトン輸送に関与するPsbA、PsbB、PsbC、PsbDサブユニットのアミノ酸を置換した葉緑体変異体を作出し、機能解析した。また、PSII表在性タンパク質 PsbPのアミノ酸の機能解析も進めた。
(2) 構造からルーメン酸性化に伴いプロトン化すると予想されるシトクロムb6f複合体のPetA、PetC、PetD、PetGサブユニットの残基を置換した形質転換系を作出した。強光下での光合成電子伝達反応への影響を解析中である。
(3)光化学系の光損傷・修復機構の解明のため、光化学系I(PSI)複合体の構造および分子集合因子Ycf3、Ycf4、Y3IP1を解明した。さらに、CGL71とPSA2の機能解析も進行中である。
(4)PSII複合体の合成・光損傷・修復の機構を解析した。D1のW14残基の酸化修飾に関連して、Fに置換した変異体W14Fを作成した結果、強光感受性となりD1分解が促進された。この分解がFtsHに起因するかどうかを検証するため、W14Fをftsh変異体に導入した株を作成した。W14はPsbIとの相互作用が構造モデルで予測されたので、PsbIに変異を導入した株の作成も進めた。また、PSIIの構築に関わると考えられている因子の精製を行い、この因子の発現を一過的に抑制するRNAi株を作成し、 PSIIへ与える影響を調べた。また、PsbPとPsbQホモログの分子集合における機能を明らかにした。
(1)ルーメン酸性化機構の理解のため、光化学系II (PSII)酸素発生系のプロトン輸送チャネルの同定を進めた。構造から推定されたプロトン輸送に関与するPsbA、PsbB、PsbC、PsbDサブユニットのアミノ酸を置換した葉緑体変異体を作出し、機能解析した。また、PSII表在性タンパク質 PsbPのアミノ酸の機能解析も進めた。
(2) 構造からルーメン酸性化に伴いプロトン化すると予想されるシトクロムb6f複合体のPetA、PetC、PetD、PetGサブユニットの残基を置換した形質転換系を作出した。強光下での光合成電子伝達反応への影響を解析中である。
(3)光化学系の光損傷・修復機構の解明のため、光化学系I(PSI)複合体の構造および分子集合因子Ycf3、Ycf4、Y3IP1を解明した。さらに、CGL71とPSA2の機能解析も進行中である。
(4)PSII複合体の合成・光損傷・修復の機構を解析した。D1のW14残基の酸化修飾に関連して、Fに置換した変異体W14Fを作成した結果、強光感受性となりD1分解が促進された。この分解がFtsHに起因するかどうかを検証するため、W14Fをftsh変異体に導入した株を作成した。W14はPsbIとの相互作用が構造モデルで予測されたので、PsbIに変異を導入した株の作成も進めた。また、PSIIの構築に関わると考えられている因子の精製を行い、この因子の発現を一過的に抑制するRNAi株を作成し、 PSIIへ与える影響を調べた。また、PsbPとPsbQホモログの分子集合における機能を明らかにした。
- ID情報
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- 課題番号 : 16H06554
- 体系的課題番号 : JP16H06554
この研究課題の成果一覧
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講演・口頭発表等
2-
RIIS International Symposium "Photosynthesis Research for the Future" 2019年11月19日 招待有り
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1st Japan-US Binational Seminar 2019年10月2日 招待有り