論文

査読有り 筆頭著者 責任著者
2008年12月

インドネシアにおけるサゴヤシのデンプン生産性―スマトラ,西カリマンタン,南スラウェシ,マルク,パプアにおける調査事例―

Sago Palm
  • 齊藤 邦行
  • ,
  • Bintoro M. H.
  • ,
  • 大江 和泉
  • ,
  • Jong F. S.
  • ,
  • Louw J.
  • ,
  • 杉山 信男

16
2
開始ページ
102
終了ページ
108
記述言語
英語
掲載種別
DOI
10.57418/sagopalm.16.2_102
出版者・発行元
サゴヤシ学会

インドネシアにおけるサゴヤシ林の約95% がインドネシア東部(カリマンタン,スラウェシ,マルク,パプア)に分布しており,この地域で多くの変種が分化したと考えられている.この地域のサゴヤシ林ではインドネシア西部(スマトラ,ジャワ)に比べてデンプン生産性が著しく高いことが知られている.そこで,インドネシアにおけるサゴヤシの分布と遺伝的多様性,デンプン生産性を2001年から2007年にかけて調査した.リャウのトゥビンティインギ島では商業的プランテーション栽培が行われ,水路によって50 haずつに区画された圃場に水上栽培した吸枝が10 m間隔(正方形植)で移植されていた.調査を行ったアチェ州アチェベサールでは,約50 ha,西カリマンタン州のポンティアナでは約5,000 ha,南スラウェシ州のパロポでは約1,000 ha のサゴヤシ自然林が河川沿いに広がっていた。マルク州では各島々の沼沢地沿いに合計約30,000 ha のサゴヤシ林を有していた.パプアのセンタニ(スンタニ)湖周辺には約4,000-5,000 ha の自然林が広がり,州の農業試験場では自然林から60 種類のサゴヤシ近縁種または変種を収集して表現形質や成長速度を比較していた.2種の変種Yepha(トゲなし),Phara(トゲあり)が推奨されていた.各調査地で可能な限り開花期に近い1-2個体(幹立ち後6-10年)を切り倒して調査した幹のデンプン収量はパプア(835kg)で最も高く,次いでマルク(582kg),南スラウェシ(373kg),リャウ(225kg)の順となり,アチェ(135kg)と西カリマンタン(100kg)では低かった.髄部デンプン含量は髄の比重および乾物率と密接な相関関係が認められた.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.57418/sagopalm.16.2_102
CiNii Research
https://cir.nii.ac.jp/crid/1390296674776092416?lang=ja
ID情報
  • DOI : 10.57418/sagopalm.16.2_102
  • ISSN : 1347-3972
  • eISSN : 2758-3074
  • CiNii Research ID : 1390296674776092416

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