共同研究・競争的資金等の研究課題

1987年

強相関電子系の高エネルギー分光理論


資金種別
競争的資金

遷移金属化合物や希土類化合物は強相関物質(強相関電子系)と呼ばれます。3d遷移金属の3d電子系や希土類元素の4f電子系においては電子間相互作用が顕著であり,それらの電子の運動が互い強く相関し合います(強相関)。そのため,それらの物質の電気・磁気・光学的性質(物性)が強く電子相関に影響されています。強相関物質は機能性材料の候補となるものが多いため,世界中で多く研究者が新しい強相関物質の発見やその物性解明に取り組んでいます。
これらの物質(電子系)にX線などの高エネルギーの光を照射して,その光学的性質を調べるのが高エネルギー分光法であり,その実験データを理論解析するのが本研究課題です。高エネルギー分光法は比較的新しい実験手法であることもあり,その実験データを解析する理論の開発は極めて重要です。
本研究課題では,超伝導体や強誘電体,磁性体など,その時々に注目されている物質を研修対象とし,高エネルギー分光理論の開発を行うことを目的としています。