論文

査読有り
2011年7月

Les noms de titre familial comme marqueurs de cohérence

Actes du 2e Congrès mondial de linguistique française
  • 高垣 由美

開始ページ
1215
終了ページ
1225
記述言語
フランス語
掲載種別
研究論文(国際会議プロシーディングス)
DOI
10.1051/cmlf/2010253

フランス語の親族呼称名詞は,家族に対する呼びかけ語で特異な性質を持つ。限定詞を伴うと「普通の」名詞のように振る舞うが,限定詞を伴わないと,転移語として働く。後者の場合は,ワタシ,ココ,イマのように,発話状況と密接に結びつき,以下の特徴がある。<br />
- 親密な感じを与える効果がある。<br />
-「普通の」名詞と純粋な転移語の中間的地位を有する。<br />
-引用の文脈において,de dicto(言表様相)の解釈が不可能。<br />
-語の使用そのものが,認知行為を表すという点で遂行名詞である。<br />
しかし,ある種の文脈では,親族呼称名詞は例外的に曖昧である。この例外的なケースは,Kuno(1987)のエンパシーの概念を当てはめることで説明できる。典型的な転移語とは異なり,親族呼称名詞は発話状況と直接には結びつかず,テクストの中で生起することで,発話者を想起させ,このことによってテクストの一貫性に貢献する。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1051/cmlf/2010253
URL
http://www.linguistiquefrancaise.org/index.php?option=com_article&access=standard&Itemid=129&url=/articles/cmlf/abs/2010/01/cmlf2010_000253/cmlf2010_000253.html
ID情報
  • DOI : 10.1051/cmlf/2010253

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