共同研究・競争的資金等の研究課題

1996年4月 - 1997年3月

音声波形の瞬時構造の解析法に関する研究

科学研究費助成事業  奨励研究(A)

資金種別
競争的資金

音声の中に含まれる情報には、音声波形の物理的な特徴量の時間変化として現われるものがある。このような情報を分析するためには、瞬時的な特徴(瞬時周波数、瞬時振幅など)を扱える分析法が必要となる。本研究の目的は、音声の瞬時的な構造解析法の構築を試みることである。その理論的な基盤として自然観測法理論を採用している。まず母音波形を全極型のフィルタから得られる時間波形であると考えることにより、そのパラメ-タ推定を行う手法について考察した。この手法には、着目時間長を制御するパラメ-タによって様々な時間スケ-ルの分析対象に対応できる、とう特徴がある。また当初は連続時間波形に対して提案されていた自然観測法理論を離散時間波形に対して新たに提案し、ディジタルコンピュ-タで実装した。これを用いてパラメ-タ推定を行い、母音波形の分析を試みた結果、着目時間長が数ピッチに渡っているときには従来法と同様に母音の特徴とされるホルマ