共同研究・競争的資金等の研究課題

1998年4月 - 2001年3月

雑音・残響環境下における信号音抽出法に関する研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

資金種別
競争的資金

本研究の目的は、人間の聴覚機構に存在する選択的聴取機構について、計算機による聴覚情景解析の考え方にそって、選択的聴取機構の数理的本質を明らかにし、これを計算機上に実現することによって、雑音・残響が存在する実環境においてさえも目的信号音を忠実に再現できるシステムを実現することである。そこで、本年度は、(1)聴覚末梢の生理モデルによる聴神経発火のゆらぎの検討、および、(2)少数マイクロホンによる目的音と雑音の推定方法の検討、を行なった。得られた結果は以下の通りである。

1.聴覚の生理モデルによる音源方向の推定:神経発火やシナプス伝達などの生体内部で行なわれる情報伝達の信号パターンを計算機上に実現し、それらをを時間差検出回路モデルに適用することで音源方向定位機能を構築した。そして、実際の聴神経に現れるような時間的なゆらぎを持つ神経インパルスを模擬した信号を入力として用いて、信号伝達の時間的な冗長性や時間的ゆ