MISC

査読有り
2008年

NiTiコイルスプリング可撤式矯正装置によるラット臼歯の抜歯窩への近心移動様式の解析

Orthod Waves-Jpn Ed
  • 中村 佳司
  • ,
  • 島津 徳人
  • ,
  • 柳下 寿郎
  • ,
  • 青葉 孝昭

67
2
開始ページ
83
終了ページ
94
記述言語
日本語
掲載種別
出版者・発行元
日本矯正歯科学会

本研究では,5週齢の雄性Sprague-Dawlay系ラットを使用し,上顎左側第一臼歯を抜歯した後に,ピン留めした切歯を固定源として,NiTiコイルスプリング可撤式矯正装置を切歯-第二臼歯間に装着した.今回の実験では,定荷重(11.5±1.5gf)を持続的に9日間負荷(持続的負荷群)した後に,動物口腔内で活性化状態を維持していたコイルスプリングを撤去し,14日間にわたり装置未装着で経過観察した装置撤去群と新たに不活性状態のコイルスプリングを切歯-第二臼歯間に装着した保定処置群を設定した.これらの矯正処置に伴う臼歯の移動様式と組織変化を調べる目的で,μCT法による三次元観察とED1免疫組織化学を含む組織観察を行った.歯根と歯槽骨とを分画したμCT立体構築像では,歯槽骨内での歯根の植立状態を直視できるのみならず,歯軸傾斜角と左右側歯根位置の差分による近心移動距離の計測が可能であった.実験側第二臼歯の移動様式として,持続負荷群では歯槽窩内での近心傾斜により近心側歯根膜組織に変性と器質化を生じていた.装置撤去群では,歯軸傾斜は回復したが,歯根膜線維の改築は遅れていた.保定処置群では,保定力が生理的な遠心移動の抑制力として働き,歯根位置の近心移動を引き起こしていた.いずれの実験群でも,第三臼歯は歯根膜組織の変性を伴うことなく近心移動を示しており,第二臼歯への矯正力負荷・撤去・保定のいずれの環境下でも後方の第三臼歯は同調して適応できることがわかった.

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007008435
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11917839
URL
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10630912
URL
https://projects.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=171914
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2008285075
ID情報
  • ISSN : 1349-0303
  • CiNii Articles ID : 110007008435
  • CiNii Books ID : AA11917839

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