2000年
佐賀県北部の台地畑作におけるナズナの発生と環境要因
雑草研究
- ,
- 巻
- 45
- 号
- 3
- 開始ページ
- 207
- 終了ページ
- 213
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3719/weed.45.207
- 出版者・発行元
- 日本雑草学会
佐賀県北部の台地畑作で不斉一発生するナズナの種子の形態や土壌からの発生と環境要因について調査した。結実個体から採取したナズナの1果実内の種子粒数は, 種子の成熟あるいは採取時期により異なったが, 果実の着生位置間で差異は見られなかった。また1果実の左右の莢間についても, 種子粒数の差異は見られなかった。種子の大きさは, 異なる採取時期の種子ともに花茎の下部に形成された果実のものほど大であった。室内におけるナズナの発芽実験では, 採取直後の休眠状態の種子を戸外畑土中に1〜3ヵ月間貯蔵することで休眠が覚醒され, 低温湿潤土中に貯蔵した種子よりも高い発芽率が見られた。しかし種子の採取時期によって, 休眠覚醒の時期が異なった。温度条件については25℃(昼温)-10℃(夜温)が最も高い発芽率となった。屋外におけるナズナの発生実験では, 低温貯蔵した種子は種子採取時期間で出芽様相に差異は見られなかった。採取直後の種子は採取時期間で出芽様相が異なり, それらは降水量の多い時期に出芽率は高くなる傾向が見られたが, 気温の暑い時期あるいは寒い時期の発生は見られなかった。さらにナズナを播種後に人為的な土壌攪乱処理をすると, その後の出芽率はやや高くなった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3719/weed.45.207
- ISSN : 0372-798X
- ISSN : 1882-4757
- CiNii Articles ID : 110003930793
- CiNii Books ID : AN00097258