2002年
イネ籾の水抽出液を用いた寒天培地によるコナギの培養法(共著)
雑草研究
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- 巻
- 47
- 号
- 1
- 開始ページ
- 14
- 終了ページ
- 19
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.3719/weed.47.14
- 出版者・発行元
- 日本雑草学会
イネ籾100gあるいは籾殻20gを1000mlの蒸留水に浸漬し,5℃暗条件下で約48時間おいてろ過した水抽出液に等量の蒸留水を加え,この希釈液を用いて,0.5%の寒天培地を作成した。次いで寒天培地表面から約1mmの深さにコナギ種子を置床し,培養した。コナギ種子の発芽率は,20〜25℃で最も高く93.3%となり,種子根長は30℃で最も長くなった。コナギ種子の発芽および幼植物の成長に対する促進効果は,籾だけでなく籾殻の水抽出液でもみられ,籾殻の水抽出液を用いた寒天培地でもコナギの培養が可能であった。次に本方法を適用して,日本型およびインド型イネの計43品種の籾の水抽出液を用いた寒天培地を作成し,コナギの置床後7日目の成長を比較調査した。イネ籾の水抽出液無添加の寒天培地ではコナギの発芽率は13.3%であったが,イネ籾の水抽出液を添加した寒天培地ではコナギの発芽率は78.3%〜96.7%であった。コナギの種子根と子葉の伸長は,一部のイネ品種を除き籾の水抽出液を添加した寒天培地では促進された。これらの促進効果は,イネ品種間で差異が認められた。これらの結果から,本培養法がコナギを用いた生物検定法として有効であることが分かった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3719/weed.47.14
- ISSN : 0372-798X
- ISSN : 1882-4757
- CiNii Articles ID : 110003889483
- CiNii Books ID : AN00097258