2018年4月 - 2021年3月
植物二次代謝生合成におけるユニークなラクトン化酵素の分子多様性の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
本研究では、チューリップの主要二次代謝産物として知られるチューリッポシド(Pos)/チューリッパリン(Pa)類が、単子葉植物のユリ科(チューリップ属を含む3属)と近縁のユリズイセン科(アルストロメリア属を含む2属)だけでなく、それらとは遺伝的に遠縁の双子葉植物であるバラ科(シモツケ属のみ)にも存在するという事実に着目し、特にPos類からPa類への変換反応を触媒する「Pos変換酵素」を対象としてユリ科、ユリズイセン科、バラ科の間でその一次配列および酵素機能の比較解析を行い、科を横断して存在する同一二次代謝産物の生合成酵素の進化過程ならびに分子多様性を明らかにすることを目的としている。
まず、昨年度に引き続き、チューリップ属内におけるPos変換酵素の分子多様性を明らかにするため、これまでに同酵素が同定されているチューリップ栽培品種とは同属異種植物である原種チューリップにおけるPos変換酵素の同定に取り組んだ。昨年度行ったPosB変換酵素の精製に続き、今年度はPosA変換酵素の精製と機能解析を行った。その結果、原種のPosA変換酵素は栽培品種の酵素と比較して特に酵素活性に違いがみられたものの、酵素ファミリーとしては栽培品種の酵素と同じであることが示唆された。
並行して、バラ科植物であるユキヤナギにおけるPos変換酵素の同定に取り組んだ。昨年度までに確立した酵素の抽出および反応条件に加えて、今年度は酵素精製条件の検討を行った。当初、抽出後数日以内に目的酵素が失活するという問題に直面したが、種々の条件検討の結果、その安定化に成功した。
まず、昨年度に引き続き、チューリップ属内におけるPos変換酵素の分子多様性を明らかにするため、これまでに同酵素が同定されているチューリップ栽培品種とは同属異種植物である原種チューリップにおけるPos変換酵素の同定に取り組んだ。昨年度行ったPosB変換酵素の精製に続き、今年度はPosA変換酵素の精製と機能解析を行った。その結果、原種のPosA変換酵素は栽培品種の酵素と比較して特に酵素活性に違いがみられたものの、酵素ファミリーとしては栽培品種の酵素と同じであることが示唆された。
並行して、バラ科植物であるユキヤナギにおけるPos変換酵素の同定に取り組んだ。昨年度までに確立した酵素の抽出および反応条件に加えて、今年度は酵素精製条件の検討を行った。当初、抽出後数日以内に目的酵素が失活するという問題に直面したが、種々の条件検討の結果、その安定化に成功した。
- ID情報
-
- 課題番号 : 18K05463
- 体系的課題番号 : JP18K05463