2007年 - 2009年
日本語を対象とした語用論の動的側面の形式化の研究
文部科学省 科学研究費補助金(萌芽研究, 挑戦的萌芽研究) 萌芽研究, 挑戦的萌芽研究
- 課題番号
- 19652034
- 体系的課題番号
- JP19652034
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 2,700,000円
- (直接経費)
- 2,700,000円
- (間接経費)
- 0円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究は、語用論の動的側面の形式化を図ろうとするものである。昨年度検討した我々の形式化は、関連性理論のいう総合的演繹規則を更新関数とするもので、発話自身が変化しなくても、話者の意図の切り替えによって、適用する演繹規則を切り替えることができ、語用論的な解釈の動的側面を説明している。本年度は、演繹規則の位置づけ、あるいは演繹規則の切り替えの原理的な仕組みについて検討した。演繹規則のうち切り替わりうるものとは、知識や思い込みといったものであり、それらは推論においてデフォルトをなしている。短いスパンの発話が動的というより静的におこなわれているのは、デフォルト論理でエクステンションを静的に確定させることができる(つまり、知らなくてもいつか知ることが出来る)ことに対応している。談話の真に動的な部分は、デフォルトとして働く演繹規則が切り替わることでおきるのであり、それは意図をもってデフォルトを切り替える(つまり、エクステンションを変える)ことに相当すると定式化することができる。論理学の理論としてアップグレード論理が最近脚光をあびているが、それとの対応を検討している。これらの装置の下で、言語による伝達の形式化をより精密に検討した。日本語においては、会話の文が命題あるいは論理形式を構成する力が弱く、曖昧な伝達やプランニングが見られるが、それらを制約の形式で伝達するようなモデルを仮定すると、談話レベルのプランニングが明確になることが分かった。統語理論として過去に検討されてきた情報の部分性に関する研究との対応を検討している。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 19652034
- 体系的課題番号 : JP19652034
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論文
1-
NEW FRONTIERS IN ARTIFICIAL INTELLIGENCE 4914 95-108 2008年 査読有り