共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2023年3月

4色型色覚特異的マイクロRNAから探る色覚の制御と進化

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19280
体系的課題番号
JP21K19280
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円

4色型の色覚をもつ鳥類や魚類の網膜の錐体視細胞で特異的に発現するマイクロRNA(miR-726)について、2021年度は主に、脊椎動物ゲノムの網羅的な調査を行うとともに、miR-726ノックアウトメダカを作製し、ノックアウトメダカ系統と野生型系統の比較解析を行った。以下に、それぞれの解析について具体的に述べる。
脊椎動物ゲノムの網羅的な調査:生態、生理、形態の多様性が顕著な硬骨魚類に焦点を絞り、ゲノム中のmiR-726の有無、構造、オプシン遺伝子など色覚に関わる遺伝子の構成等について網羅的な解析を行った。硬骨魚においてmiR-726は高度に保存されているが、いくつかの系統でmiR-726を失っていた。またシード配列に変異をもつ種がみつかった。miR-726の喪失は、赤オプシン遺伝子(LWS)または青オプシン遺伝子(SWS2)の喪失を伴うことが多く、LWSとSWS2を失い、miR-726のみが残存する事例はみられなかった。
miR-726欠損個体の作製とトランスクリプトーム解析:CRISPR/Cas9ゲノム編集法によりmiR-726欠損メダカ系統を作製した。また、miR-726上流に存在するエンハンサー領域を欠失したメダカ系統を作製した。野生型メダカとmiR-726欠損メダカ系統の網膜における遺伝子発現(トランスクリプトーム)と組織学的形態の比較解析を行った。トランスクリプトーム解析から、網膜における細胞分化や運命決定に関わる遺伝子群の発現の変化、マイクロRNAの新しい転写後調節の可能性を示唆する結果が得られた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19280
ID情報
  • 課題番号 : 21K19280
  • 体系的課題番号 : JP21K19280