パーキンソン病(PD)患者における生活の質(QOL)関連要因を、抑うつと首尾一貫感覚(SOC)に焦点を当てて明らかにするためにPD患者185名を対象に、質問紙調査を実施した。180名から回答が得られ、146名(男性70名、女性76名、平均年齢70.0歳)の有効回答を分析対象とした。QOLの関連要因を明らかにするために、共分散構造分析で解析した。モデルの適合度について検討し、最終モデルがGFI=0.973、AGFI=0.924、CFI=0.987、RMSEA=0.057といった適合度の指標が最も高く、すべての適合度が許容水準をほぼ満たしていたため、最終モデルで変数間の因果関係を解釈することとした。解析の結果、PD患者のQOL関連要因はSOCの「有意味感」と抑うつであることが明らかになった。「有意味感」からQOLへのパス係数は抑うつからQOLのパス係数よりも高く、抑うつよりもSOCの「有意味感」の方がQOLにより強い影響があると考えられた。