1995年3月
ヒステリシスを考慮した土壌-植物-大気連続系の土壌水分動態モデル
水文・水資源学会誌
- ,
- 巻
- 8
- 号
- 3
- 開始ページ
- 322
- 終了ページ
- 334
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 速報,短報,研究ノート等(学術雑誌)
- DOI
- 10.3178/jjshwr.8.322
- 出版者・発行元
- THE JAPAN SOCIETY OF HYDROLOGY AND WATER RESOURCES
スコットランドのジャガイモの圃場における作付期間を通じた土壌水分動態を考究した.土壌水分動態を考究する数値シミュレーションは,気象変動,作物根の吸水および蒸発散を考慮して土壌―植物―大気連続系(SPAC)に基づく.土壌水分分布の実測値のと2つの方法で行ったシミュレーション結果を比較検討し,土壌水分動態に対するθ(h)関係のヒステリシスの影響を評価した.ここに,hは圧力水頭,θは土壌水分である.シミュレーションは,θ(h)関係の乾燥主曲線のパラメータを用いた乾燥解析および簡便なヒステリシスモデルを基にしたヒステリシス解析の2つである.また数値解析の水分収支誤差を小さく抑えるため,土壌水分移動の支配方程式として混合型の連続式を採用した. その結果,ヒステリシス解析は土壌水分分布の実測値を高い精度で再現できることを示した.作物からの実質蒸散強度の予測には,根群域の土壌水分が生長有効水分として作物に利用されるため,ヒステリシスの影響は表れない.142日間の作付け期間を通した土壌水分の収支誤差は,混合型の連続式を基にした乾燥解析,ヒステリシス解析いずれの方法も2%以下であった.
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.3178/jjshwr.8.322
- ISSN : 0915-1389
- CiNii Articles ID : 130003664379