2004年
HLT適合同種造血幹細胞移植後のGVL効果における多型接着分子の役割
臨床血液
- 巻
- 45
- 号
- 7
- 開始ページ
- 518
- 終了ページ
- 523
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11406/rinketsu.45.518
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本血液学会
HLA適合ドナーから造血幹細胞移植を受けた患者102例とそのドナーを対象に,マイナー組織適合抗原(mHa)のHA-1とGVHDを惹起する抗原として報告されている4種類の多型接着分子のアレルをPCR-RFLP法で検査し,HLA拘束性に基づいてGVHD方向に不適合の有無を決定した。不適合例と適合例の再発率とGVHD発症頻度を後方視的に検討した結果,いずれかの多型分子に不適合がある36例の再発率は16.6%(6例)で適合例66例の再発率39.4%(26例)に比べ有意に低かった(p=0.018)。各多型分子別の再発率はCD62L不適合例では6.6%, HA-1不適合例では14.3%, CD31 codon563不適合例では11.7%であったがCD31 codon125不適合では20%, CD49b不適合例は40%と高かった。これらの再発率はHLA拘束性のある適合例と比較するとCD62L不適合のみが有意に低かった(p=0.03)。一方,II度以上の急性GVHDの発症頻度は各々の多型分子の不適合例と適合例との間で差を認めなかった。本研究から多型接着分子CD62Lの不適合はGVL効果の誘導において重要と考えられる。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11406/rinketsu.45.518
- ISSN : 0485-1439
- ISSN : 1882-0824
- CiNii Articles ID : 10013335553
- CiNii Books ID : AN00252940
- PubMed ID : 15359910