共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2024年3月

超高精細CTの新しい肺癌画像解析法の確立:診断能に寄与する画像因子探索とAI解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K07672
体系的課題番号
JP21K07672
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

本研究は、面内・体軸方向ともに従来CTの2倍の空間分解能を有する超高精細CTにて撮像した肺癌の画像データから、診断能の向上に役立つ主観的および客観的画像学的因子を探索し、肺癌の的確な診断や治療方針の選択に役立つ画像解析法の確立を目指すことである。具体的な研究項目は、①肺癌の超高精細CT画像所見と病理組織像や遺伝子情報との詳細な対比②超高精細CT画像データを定量解析するための人工知能ベースのソフトウェア開発③病理学的因子、遺伝子因子、予後因子に関連する画像所見および定量因子の究明、の3つである。
1. 超高精細CTデータ収集・再構成処理および臨床データ収集
肺癌で最も多い組織型である肺腺癌に焦点を絞り、2018年(当施設で超高精細CTの運用開始)から2019年の2年間において、確定診断がついた症例の術前CT画像生データを保存サーバから後ろ向きに抽出した。解析可能な85例の収集を行い、同時にCT装置メーカーに依頼し、超高精細CTデータから従来CTに相当する画像データも再構成した。尚、2020年のデータは同様に抽出中である。一方、上記の画像データに対応する遺伝子情報として、EGFR(epidermal growth factor receptor)、ALK(anaplastic lymphoma kinase)、PD-L1(programmed cell death1 ligand1)の抽出も行った。
2. CT画像所見の評価と人工知能の構築
遺伝子とCT画像所見の関連を視覚的に簡易評価した。また、超高精細CT用の3次元畳み込みニューラルネットワーク、および、Vision transformerを用いた人工知能解析モデルを構築し、上記の85例において、上皮内癌(AIS)、微少浸潤性腺癌(MIA)、浸潤性腺癌(IVA)の分類と人工知能の診断時の着目部位を視覚化した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K07672
ID情報
  • 課題番号 : 21K07672
  • 体系的課題番号 : JP21K07672