MISC

2002年

アレルギー性鼻炎における昆虫アレルギーの全国調査.

日本耳鼻咽喉科学会会報
  • 奥田 稔
  • ,
  • 宇佐神 篤
  • ,
  • 伊藤博隆
  • ,
  • 荻野 敏
  • ,
  • 共同研究者として岡野光博
  • ,
  • 西崎和則

105
12
開始ページ
1181
終了ページ
1188
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.3950/jibiinkoka.105.1181
出版者・発行元
The Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan, Inc.

アレルギー性鼻炎患者(AR)における昆虫アレルゲンの症状への関与を調べるため,560例のARを対象にしてガ,ユスリカ,ゴキブリを含む13アレルゲンに対するIgE抗体を測定した.また,65例の患者でこれら3種の昆虫の鼻誘発試験を実施した.<br>ガ,ユスリカおよびゴキブリに対するIgE抗体保有率はそれぞれ32.5%,16.1%,13.4%であった.これらIgE抗体保有率には,地域,年齢,治療および合併症による差は認められなかった.<br>鼻誘発試験で陽性と判定される割合は,RASTクラスが高いほど多くなる傾向があった.とくにゴキブリ,ガにおいて,RASTクラス3以上では,各々55.6%および61.5%が鼻誘発試験に陽性を示した.<br>昆虫間のIgE抗体価の相関を検討したところ,ガ,ユスリカ間には強い相関が認められ共通抗原性を示唆したが,ゴキブリ,ガ間およびゴキブリ,ユスリカ間では強い相関は認められなかった.また,いずれの昆虫もヤケヒョウヒダニおよび室内塵に対するIgE抗体価との相関は認めなかった.<br>以上の結果,日本においてガ,ユスリカ,ゴキブリは,アレルギー性鼻炎を起こす原因となっていることが示された.

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.3950/jibiinkoka.105.1181
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/10010592921
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN00191551
URL
https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00336238764?from=CiNii
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2003164829
ID情報
  • DOI : 10.3950/jibiinkoka.105.1181
  • ISSN : 0030-6622
  • CiNii Articles ID : 10010592921
  • CiNii Books ID : AN00191551

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