MISC

2017年

意識障害を契機に発見された前頭洞型髄膜脳瘤例.

日本鼻科学会会誌
  • 假谷伸
  • ,
  • 岡野光博
  • ,
  • 檜垣貴哉
  • ,
  • 春名威範
  • ,
  • 牧原靖一郎
  • ,
  • 大道亮太郎
  • ,
  • 西﨑和則

56
4
開始ページ
564
終了ページ
569
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.7248/jjrhi.56.564
出版者・発行元
日本鼻科学会

<p>髄膜脳瘤は頭蓋骨の欠損孔から頭蓋内容が頭蓋外に脱出する疾患である。先天性の骨欠損による髄膜脳瘤は後頭部に多く発生し,頭蓋底に発生することは稀である。今回,前頭洞後壁の骨欠損部から鼻腔へと脱出した前頭洞型頭蓋底髄膜脳瘤症例に対して,前頭開頭術と経鼻内視鏡下鼻副鼻腔手術を併用した切除術を施行し,良好な経過を得たので報告する。症例は40歳,男性。感冒薬を内服後に意識障害を認め,近医総合病院へ救急搬送された。横紋筋融解症を認め,透析などの加療が施行された。また,頭部MRIで左篩骨洞・前頭洞陰影と脳室拡大を認めた。髄液鼻漏所見を認めたため同院耳鼻咽喉科へ紹介され,左鼻腔内腫瘤の生検を行ったところ脳組織とのことであった。横紋筋融解症が改善したのちも意識障害が遷延するため,精査加療目的で当院脳神経外科へ転院となった。意識障害はフェノバルビタールナトリウムなどの点滴静注治療により軽快した。髄膜脳瘤に対して前頭開頭術と内視鏡下鼻副鼻腔手術を併用した切除手術と前頭蓋底再建術を施行した。術後2年を経過して髄膜脳瘤の再発は認められない。近年,頭蓋底髄膜脳瘤に対しては内視鏡による経鼻的アプローチのみで切除術を行う報告が増加している。本症例は前頭洞後壁に骨欠損部があり,内視鏡下操作のみでは硬膜再建が困難と判断した。髄膜脳瘤は比較的まれな疾患であり,症例によって適切なアプローチ法を検討することが必要と思われた。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.7248/jjrhi.56.564
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130006286341
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2018122270
ID情報
  • DOI : 10.7248/jjrhi.56.564
  • ISSN : 0910-9153
  • CiNii Articles ID : 130006286341

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