MISC

2017年

IgG4陽性形質細胞の集簇を認めた鼻腔底Reactive lymphoid hyperplasia症例.

日本鼻科学会会誌
  • 金井健吾
  • ,
  • 岡野光博
  • ,
  • 折田頼尚
  • ,
  • 野山和廉
  • ,
  • 檜垣貴哉
  • ,
  • 春名威範
  • ,
  • 假谷伸
  • ,
  • 小山貴久
  • ,
  • 大道亮太郎
  • ,
  • 佐藤康晴
  • ,
  • 安藤翠
  • ,
  • 平田裕二
  • ,
  • 西﨑和則

56
4
開始ページ
619
終了ページ
624
記述言語
日本語
掲載種別
DOI
10.7248/jjrhi.56.619
出版者・発行元
日本鼻科学会

<p>Reactive lymphoid hyperplasia(RLH)は,組織学的に胚中心を伴うリンパ濾胞の反応性過形成を示し,個々のリンパ球の異型が少なくpolyclonalな増殖を認めるものと定義される。今回我々は,IgG4陽性形質細胞の集簇を認めた鼻腔底RLHの一例を経験した。症例は69歳女性。主訴は左鼻腔腫瘤,右難聴。右難聴で近医受診した際に,左鼻腔底前方に隆起性病変を認めた。唾液腺腫脹や鼻症状は認めなかった。IgG4値は45.5mg/dlと正常範囲内であった。2度の生検を施行し悪性リンパ腫の可能性も否定できず,摘出術を施行した。病理組織所見は,HE染色では,粘膜上皮下に著明なリンパ球・形質細胞の浸潤を認め,リンパ濾胞の過形成を伴っていた。免疫染色では,濾胞間に多数のIgG4陽性形質細胞を認め,400倍1視野あたり100個を超え,IgG4/IgG陽性細胞比は40%を超えていた。しかし,線維化の所見や高IgG4血症を認めず,包括診断基準に照らしIgG4関連疾患には合致しなかった。摘出後,約1年を経過するが,再発所見を認めていない。今後,病変の再発や悪性転化する可能性も考えられることから,治療後も厳重な経過観察を行う必要があると考えられる。</p>

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.7248/jjrhi.56.619
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/130006286419
URL
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2018122278
ID情報
  • DOI : 10.7248/jjrhi.56.619
  • ISSN : 0910-9153
  • CiNii Articles ID : 130006286419

エクスポート
BibTeX RIS