2005年
温泉療法による気管支喘息治療薬剤費の削減効果
日本温泉気候物理医学会雑誌
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- 巻
- 68
- 号
- 3
- 開始ページ
- 166
- 終了ページ
- 174
- 記述言語
- 英語
- 掲載種別
- DOI
- 10.11390/onki1962.68.166
- 出版者・発行元
- 一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
気管支喘息23例を対象に、温泉療法を開始した1年間 (1997年) と開始3年後 (2000年) の1年間の薬剤費を比較することによって、長期温泉療法による薬剤費の削減の可能性について検討を加えた。なお、気管支喘息の重症度は国際分類に準じ、ステージ1から4までの4段階で行った。1. 温泉療法による総薬剤費の1年間の平均削減は、ステージ1では\31,910、ステージ2では\74,900、3では\113,450、4では\180,910であった。これを削減率で表すと、それぞれステージ1では34.2%、2では46.3%、3では37.1%、4では42.4%であり、温泉療法による薬剤費の削減は、金額では喘息の重症度が高くなるにつれて多くなること、また、削減率ではステージ2と4で40%以上の高い削減率が示された。2. 温泉療法による薬剤の種類別の薬剤費の削減では、気管支拡張薬、副腎皮質ホルモン、抗アレルギー薬、粘液溶解薬、抗生物質などの薬剤費は、いずれもステージ3および4の症例では有意の減少を示した。しかし、これらの薬剤費の減少はステージ1および2では、推計学的には有意の差ではなかった。3. これらの薬剤の削減率は、推計学的に有意差の見られるステージ3では、粘液溶解薬と抗生物質、またステージ4では気管支拡張薬、抗アレルギー薬、粘液溶解薬、抗生物質で50%以上の削減率が観察された。以上の結果より、気管支喘息のうち重症度の高い症例では、温泉療法により薬剤費の削減が可能であることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.11390/onki1962.68.166
- ISSN : 0029-0343
- CiNii Articles ID : 130002045701
- CiNii Books ID : AN00186245