2020年4月 - 2025年3月
中高年のこころの習慣と脳のコホート研究-精神的健康の予測と改善を目指して
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
- 課題番号
- 20H01775
- 体系的課題番号
- JP20H01775
- 配分額
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- (総額)
- 16,380,000円
- (直接経費)
- 12,600,000円
- (間接経費)
- 3,780,000円
- 資金種別
- 競争的資金
本研究課題は、中高年の精神的健康に関わる指標や、脳の機能構造を縦断的に追跡調査することで、将来の健康を予測する指標や、幸福に寄与する心身の習慣を見出すことを目的としている。2020年度に追跡調査の開始を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大のために中止を余儀なくされ、2020年度は心身の健康に関わる指標の開発に努めた。本研究課題は、現在に体験にありのままに気づいている状態であるマインドフルネスという心の使い方が、将来の心・脳の健康に寄与するのではないかと仮説立てていることから、マインドフルネスや注意、それらと関連する概念の指標の検討を行なった。現在に能動的に注意を向けられる能力の客観的な指標は少ないため、脳波の事象関連電位を用いた指標を検討し、発表を行なった(朴木他, 2021)。またその能動的な注意制御能力の訓練が、脳活動に与える影響の検討も行なっている(Usui et al., 2021)。またマインドフルネスは、能動的な注意制御の側面だけでなく、体験に対する受容的な態度の要素も含むが、それが特に不安や心身症状、Well-beingに良い影響を与える可能性を質問紙調査研究によって示した(Takahashi et al., 2020)。さらに、マインドフルネスと密接な関連があり、マインドフルネスが奏功するために必要と考えられる心的スキルとして、自分に思いやりを向けるセルフコンパッションというものがあり、日常でセルフコンパッション的な行動がどれだけ行われているかを測る方法の開発も行ってきた(内田他, 2020)。今後は、これらの指標が長期縦断研究において使えるかどうかを検討した上で、実際に縦断調査を開始する予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20H01775
- 体系的課題番号 : JP20H01775