その他

2000年10月 - 2000年10月

量子ビットを用いた知能デバイス


本質的並列処理の可能性を持つ量子計算を知能処理へ応用するためソフト・ハード両面からの研究を行った. 知能処理の実現に向けて人工神経回路の研究がなされているが, 連想処理や学習などの多くは莫大な組み合わせの中から最適解を見いだす問題に帰着可能である. そこで通常利用されるのが最急降下アルゴリズムであるが, よく知られているようにローカルミニマの問題からエラーを発生する場合が少なくない. 量子計算アルゴリズムはこうした問題を本質的に解決する可能性を持っている. 本研究では, 知能処理に適した新しい量子計算アルゴリズムの提案とそれを実現する量子ビットの実現に関し研究を行った. 研究成果として, 核スピン量子ビットのための STM 単原子リソグラフィー基礎技術の開発, 超伝導量子ビットのための Bi-2212 ウィスカー結晶を使った十字型ジョセフソン接合の製作, ハミルトニアンの断熱的変化を使ったニューロ様量子計算アルゴリズムの開発などが得られた.