1996年3月11日
マイクロ波エネルギー無線伝送用受電レクテナの整流回路部の開発
電子情報通信学会総合大会講演論文集
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- 巻
- 1996
- 号
- 1
- 開始ページ
- 596
- 終了ページ
- 596
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 一般社団法人電子情報通信学会
現在、電気エネルギーは様々な用途に広く用いられているが、その新たな利用形態としてマイクロ波による無線エネルギー伝送が考えられる。マイクロ波エネルギー無繍伝送は宇宙太陽発電(SPS:Solar Power Station)、成層圏無線中継機システム、離島、山頂への無腺送電などへの応用が可能である。このマイクロ波エネルギー無線伝送システムにおける受電側の設備であるレクテナ(rectenna:rerctifying antenna)は、受電アンテナおよび整流回路部により構成され、マイクロ波を受電し直流へと変換する回路である。この回路にはエネルギーを効率よく伝送するために高いRF-DC変換効率が要求される。このレクテナを用いたマイクロ波エネルギー無線伝送に関する実験は様々な研究磯関で行われており、我々の研究グループも関西電力、神戸大学との共同実験として1994年10月および1995年3月に地上2定点間マイクロ波エネルギー伝送フィールド実験を行った。この実験におけるレクテナの開発は我々のグループが行っており、この実験で用いたレクテナの整琉回路部のRF-DC変換効率は66.1%であり、以後もさらなるレクテナのRF-DC変換効率向上を目指して研究開発を行ってきた。今回、このレクテナの整流回路部についての研究開発結果について報告を行う。レクテナの整流回路部は一般に入カフィルター、出力フィルター、および整流回路により構成されている。整流回路は入力マイクロ波を直流へと変換する回路であり、通常ダイオードを用いて整流を行っている。入力フィルターは整琉回路のダイオードの非線形性のために生じる高調波が入力側へと逆流してアンテナから再放射されるのを抑えるための回路で、またDC出力のリップルを抑える役割とレクテナの出力端に接続された負荷側へ高調波が流れるのを防ぐ役割とをもつ回路である。今回開発を行った整流回路部は中心周波数2.45GHzで動作するよう設計しており、整流回路はブリッジ型の全波整流方式でダイオードはNEC製1SS97(2)を用いている。また、入力フィルターはオープンスタプを用いたバンドストップフィルターで2次、3次および4次高調波を減衰させるように設計を行っている。出力フィルターはλ_g/4分布定数線路および容量の十分大きいコンデンサをマイクロストリップ線路により実現した回路である。この回路図を図1に示す。この回路は74%以上のRF-DC変換効率が可能である(図2)。入力フィルターを含まない整流回路のみの場合、80%以上のRF-DC変換効率が得られている。本講演ではこの整流回路部のRF-DC変換効率特性および動作ならびに誘電体基板の違いによる回路特性の比較検討結果等について発表する。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/110003243481
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10471452
- ID情報
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- CiNii Articles ID : 110003243481
- CiNii Books ID : AN10471452