2008年
タバコ培養細胞BY-2のホウ素欠乏応答:ホウ素欠乏は酸化障害を引き起こす
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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- 巻
- 2008
- 号
- 開始ページ
- 253
- 終了ページ
- 253
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.14841/jspp.2008.0.0253.0
- 出版者・発行元
- 日本植物生理学会
ホウ素は高等植物の微量必須元素であるがその生理機能は完全には理解されていない。我々はこれまで、植物細胞中のホウ素は細胞壁に局在し、ペクチン質多糖のラムノガラクツロナンII領域を架橋することで細胞壁超分子構造の構築に寄与することを明らかにした。一方で、ホウ素欠乏による障害や細胞死の発生機作はいまだ明らかでない。そこでタバコ培養細胞のホウ素欠乏応答について検討した。<br>3日齢のタバコ培養細胞BY-2をホウ素欠除培地で培養すると処理後12時間から原形質凝集を伴う細胞死が観察された。我々はこれまでに低ホウ素馴化細胞で抗酸化酵素遺伝子の発現量が増加することを見出している。そこでホウ素欠乏と酸化障害の関係について検討した結果、欠除処理細胞で活性酸素種と過酸化脂質が蓄積することを確認した。また抗酸化物質ブチルヒドロキシアニソールの添加で細胞死は抑制された。これらの結果はホウ素欠乏で酸化障害が発生し、それが直接の原因で細胞が死に至ることを示す。この細胞死過程においてプログラム細胞死の特徴は観察されなかった。またすでに死細胞が顕在化している処理開始18時間後でも、ホウ素を再添加すると以後の細胞死は直ちに抑制された。従ってホウ素欠乏による細胞死は酸化障害によるネクローシスであると結論した。現在、ホウ素欠乏で酸化障害が発生するメカニズムを解明するため欠除処理に対する初期応答の解析を行っている。
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- ID情報
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- DOI : 10.14841/jspp.2008.0.0253.0
- CiNii Articles ID : 130006993779