2017年6月
美術初心者における写実性制約が抽象絵画の鑑賞に与える影響
日本認知心理学会第15回大会発表論文集
- 巻
- 2017
- 号
- 開始ページ
- P3-11
- 終了ページ
- 108
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
- DOI
- 10.14875/cogpsy.2017.0_108
- 出版者・発行元
- 日本認知心理学会
美術初心者は絵画鑑賞時に絵画に描かれた具体物の特定に固執する傾向(写実性制約)があることが指摘されている。先行研究では、具象絵画の鑑賞において、絵画の形式的要素に関する解説文を読みながら鑑賞する経験によって写実性制約が緩和され、逆に絵画に描かれた対象物についての解説文では制約が強められることが示唆されている。本研究では、抽象絵画の鑑賞時にも同様の傾向が見られるか検討した。一般大学生24ペアに2点の抽象絵画(カンディンスキーとモンドリアン)を鑑賞させ発話を分析した。その結果、前者では具体物の名称を挙げようとする傾向が強く見られたが、後者では具体物への言及は殆ど見られず、題名で言及された色を特定しようとする傾向が強くみられた。解説文の種類の効果は明確ではなかった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14875/cogpsy.2017.0_108
- CiNii Articles ID : 130006172085